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出生前診断

胎児超音波精密スクリーニング

赤ちゃんの3〜5%は生まれつきの病気を持って生まれてきます。病気の中には生まれてすぐに治療をしてあげなければ救命できないようなものもあります。そのような病気も赤ちゃんがお腹の中にいるうちに見つかっていれば、治療・サポート体制を十分に整えた上でお産をすることができます。また、ご家族の方も心の準備や必要な情報をあらかじめ得ることができます。

徳島大学病院では、高精度の超音波診断装置を備え、通常の検査ではわかりにくい病気や異常を早期発見、フォローアップするために「胎児超音波精密スクリーニング」を行っております。

なお、この検査は徳島県の協力の下、乳児死亡削減の一環として行われています。

※すでに疾患が疑われる方へ向けた検査(精査)ではありません。

●通常の検査ではわかりにくい病気を発見できます。

・心疾患
・横隔膜ヘルニア
・開放性二分脊椎  など

●検査について

時期:妊娠26週頃(24〜28週)
費用:6,600円(自費)
場所:徳島大学病院 産婦人科 外来
日時:毎週金曜日 9:00~12:00 13:00~14:00
※検査時間は30分です。
※予約制です。かかりつけの主治医の先生から予約していただくようになります。

●受診者数

●部位別疾患診断数

部位 診断数
頭部 13
顔面 3
脊椎・脊髄 1
心臓 66
胸部(心臓以外) 1
消化器 6
泌尿器 32
四肢 2
臍帯 6
羊水量 13
発育 42

●実際に診断に至った病気

・口唇裂
・二分脊椎
・心室中隔欠損
・総肺静脈環流異常
・胎児不整脈
・大動脈縮窄
・大動脈縮窄複合
・右鎖骨下動脈起始異常
・左上大静脈遺残
・横隔膜ヘルニア
・食道閉鎖
・鎖肛
・重複腎盂尿管
・腎嚢胞
・腎低形成
・腎異形成
・尿道下裂
・羊水過多
・羊水過小
・胎児発育遅延  など

詳しくはこちらをご覧ください。

胎児心エコー

心臓の病気が疑われる赤ちゃんに行う、心臓に特化した超音波検査です。
胎児心臓の超音波は難度が高く、心臓の精密検査は胎児心臓超音波検査として限られた施設でのみ行われています。
当院は日本胎児心臓病学会の胎児心臓超音波検査専門施設です。

https://www.jsfc.jp/institution/index.html

●実際に診断に至った病気(20016〜2018年)

診断名 疾患別合計
心室中隔欠損 42
左上大静脈遺残 15
上室性期外収縮 11
右鎖骨下動脈起始異常 8
両大血管右室起始症 6
右室性単心室 5
心室性期外収縮 5
ファロー四徴症 5
大血管転位症 4
大動脈縮窄複合 4
三尖弁閉鎖症 3
総肺静脈還流異常 3
大動脈縮窄 3
単心房単心室 3
右側大動脈弓 3
心筋症 3
肺動脈閉鎖 2
房室中隔欠損 2
無脾症 2
右室低形成 1
Ebstein 1
左心低形成症候群 1
重症大動脈狭窄 1
主要大動脈肺動脈側副動脈 1
純型肺動脈閉鎖 1
大動脈弁狭窄 1
肺動脈狭窄 1
左腕頭動脈肺動脈起始 1
冠動脈右房瘻 1
左肺動脈右肺動脈起始 1
多脾症 1
大動脈二尖弁 1
その他 18
正常 36
総数 196

羊水検査

羊水穿刺および羊水染色体検査の目的は、胎児の染色体異常を診断するためであり、すべての異常がわかるわけではありません。
羊水検査は通常、妊娠16週〜18週頃に行います。

●当院における適応例

・以前の妊娠、出産で胎児が染色体異常であったことが確認された
・出産予定日の年齢が35歳以上
・NIPT・胎児エコーなどで染色体異常に罹患している可能性が高いことが指摘されている場合   など

●検査の流れ

日帰り入院で行います。通常13時頃に入院、17時前後に退院できます。(時間の前後はあります。)穿刺前には超音波断層装置にて胎盤付着部位・胎児の位置を確認しています。その後、超音波下に穿刺を行い、必要量の羊水を採取します。(5分程度です。)検査後は安静にしていただき、約3時間後に特に変わりのないことを確認したのちに退院となります。予防的に抗生剤と子宮収縮剤を内服していただき、約2週間後に結果を説明いたします。

●注意点

※ 羊水染色体検査は羊水中の細胞を培養増殖させて検査をするため、結果が判明するまでに
  2週間ほどかかります。
※ 羊水穿刺により、約0.3〜0.4%の確率で流産が引き起こされることがあります。また検査後に
  感染や出血、腹部緊満(お腹の張り)などの症状がある場合は、入院が必要となります。
※ 羊水染色体検査の実施診断にあたっては、以下の点に注意する必要があります。
  ① 培養が不成功に終わり、診断できない確率が約0.5%あります。
  ② 羊水採取時に母体由来の細胞が混入し、性別の判定を誤ることがあります。
  ③ 培養中、微細な構造異常や転座、欠失が発生することもあり、この時には両親の染色体
  検査での確認が必要となります。
※ アスピリンやヘパリンを行っている方は中止が必要となります。必ずご相談ください。

●料金について

羊水検査は健康保険が適応されず、検査日の費用は入院費も含め全て自費診療となり、
約13万円になります。
《費用の内訳》
 染色体分析:75,600円
 入院費  :約5万円

NIPT

詳しくはこちらをご覧ください。

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