四国東部の産婦人科医療、また医学教育の中心として、1)生殖医療部門、2)周産期医療部門、3)婦人科腫瘍部門、4)女性診療部門の4部門のすべての部門にエキスパートを配置し、どの部門でも全国水準を越える体制を整えています。
2023年の臨床統計では、分娩数:599件(経腟分娩363件、うち和痛分娩10件、緊急帝王切開130件、予定帝王切開106件)、外来患者数:1日143人、1日平均病床稼働率:約79.2%、平均在院日数:約8.0日となっています。
体外受精を日本で3番目に成功させるなど、不妊診療は全国的に高く評価され、先進的な診療と研究を行っています。特に排卵誘発、生殖補助医療、腹腔鏡下手術などで高いレベルの医療を展開しています。
国立大学病院で初めて総合周産期医療センターに指定されるなど、実践を重視した高度周産期医療を展開しています。徳島県下の合併症妊娠、胎児医療、多胎妊娠などを中心に、現在、周産期・新生児学会の暫定研修施設になっています。
婦人科癌に対するトップレベルの手術療法、化学療法、放射線療法を行っています。治療成績は全国の平均より良好であり、徳島県内をはじめ近隣の地域とも連携して治療を行っています。最近の若年患者の増加に伴い、機能温存療法を積極的に導入しています。子宮頸部上皮内腫瘍の治療にレーザー蒸散術を導入し、病変の小さい症例に対しては外来でLEEP切除を行う場合もあります。増加が著しい子宮体癌に対しては腹腔鏡手術、ロボット支援手術を導入しています。若年者に対する子宮温存治療(黄体ホルモン療法)の治療経験も豊富でその後多数の妊娠症例を経験しています。婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG)に参加する徳島県内・唯一の施設として、難治症例に対する臨床試験や、他の施設では行えない先進的な治療への紹介も可能です。
最近研究が進んでいる遺伝性腫瘍についても、カウンセリングからパネル検査まで診療体制を整え、徳島県の拠点病院として診療しています。また、がんゲノム医療連携病院(地域の中心となる病院)として、当院ではがん遺伝子相談外来で、有効な治療のない希少がんや再発がんでは、薬剤を探索するがんパネル検査を実施することができます。
性差医療の立場から、女性の長寿化に併せて、一般産婦人科疾患、更年期医療、生活習慣病、乳癌検診などの女性のトータルケアを目指しています。特に、生活習慣病と乳癌検診への取り組みは新しい産婦人科医療のモデルケースとして注目されています。
徳島大学病院では診療紹介患者さまの待ち時間短縮を図るため、 患者支援センターでFAXでの紹介の連絡を受け各診療科と予約時間の調整をし、 診療予約を行っています。