岩佐教授・専門医に聞く

リンパ節郭清を行う利点はリンパ節転移の有無が病理学的に検査できることです。リンパ節転移が確認され３期であることが判明した場合は、十分な後療法（化学療法）が必要になるので診断的な意義ははっきりしています。しかし、治療的意義がどこまであるかは実ははっきりしていない部分もあり、各施設でリンパ節郭清の基準は若干異なります。リンパ節郭清の有害事象として、下腿リンパ浮腫が20%程度に出現するため、このバランスを考えてリンパ節郭清をするかどうか考える必要がありますが、治療的意義がはっきりしないと言うことで、安易に省略することは慎むべきと考えます。ガイドラインは色々な施設の先生が相談しています。一つの事実に対して色々な解釈ができるため明確に基準が書かれていなくてある意味わかりにくくなっているのだと思います。