TOP > 岩佐教授・専門医に聞く > <第5回> 知りたい癌治療 【子宮体癌】(回答:西村正人先生) > ① 初期の子宮体癌の手術治療は?
子宮体癌の手術の基本は単純子宮全摘術+両側付属器摘出術です。リンパ管にがん細胞が入るとリンパ節転移が起こる可能性が出てきます。リンパ管は子宮筋層に存在するので、浸潤が深い場合や、細胞同士の接着能が低下しているあるいは増殖能が高いなど、いわゆる悪性度が高い場合にはよりリンパ管に侵入しやすくなります。これまでの報告から筋層浸潤の深さと悪性度(類内膜癌の場合はGrade1,2,3)によりリンパ節転移の頻度が報告されています。子宮体癌治療ガイドライン2018には筋層浸潤1/2未満で腫瘍径が2cm以下の場合のリンパ節転移の頻度は1-2%と極めて低く、このような症例にはリンパ節郭清が省略できるとされています。