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2024年更新
徳島赤十字病院 産婦人科
徳島赤十字病院は、「断らない医療」を理念にかかげ、高度救命救急センターとして、県南のみならず徳島県全体の救急医療と地域医療支援を行っている病院です。また日本赤十字病院として災害救護活動も行っています。
当院の研修理念は、人格を涵養し医学および医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、将来専門とする分野に関わらず幅広い臨床能力を身につけ、チーム医療の役割をはたし、全人的態度で医療を提供できる医師を育てることです。プログラムは研修医の希望を反映できる選択肢が多く、有意義で満足のいく研修ができます。まずは、当院を見学して指導医、専攻医、研修医達からいろんな話を聞いてもらい、当院での初期研修を受けていただきたいと思います。詳しくは、当院の初期研修パンフレット(請求先は当院ホームページ)をご覧ください。
初期研修として必要なことは、急性期疾患と救急疾患をいかに多く経験し、鑑別疾患を考え、検査の選択、そして初期治療を行える能力を習得することだと思います。それが習得できる初期臨床研修プログラムを用意しています。初期研修制度が始まって以来、毎年多くの研修医が満足してくれています。
後期研修は自分が専門とする分野を本格的に学び始める期間です。産婦人科領域は、周産期、腫瘍、生殖内分泌医療、女性医学などにわかれますが、まずは産婦人科医の基本といえる正常分娩、吸引分娩、帝王切開を多く経験してほしいと思います。それに加えて良性婦人科疾患や婦人科腫瘍の症例も経験して産婦人科専門医を取得してください。分娩や手術はできればいいではなく、基本手技と解剖を十分理解したうえで、丁寧かつ確実な手技や手術をマスターしてほしいと思います。
徳島県はもちろん、全国的にも少子化がさらに加速しているようです。当院では2019年まで年間約600件あった分娩件数は、毎年50件ほどの減少傾向があり、2023年は413件にまで減少しています。それでも後期研修医が、正常分娩は年間100例以上、帝王切開術の執刀も多く経験できる環境にあります。また、2023年9月からは無痛分娩を始めています。現在は毎月6~10件程度の希望者があり、指導医のもと無痛分娩も習得できます。腹腔鏡下手術は2002年から始め2023年までに約2400件以上行ってきました。日本産科婦人科内視鏡学会の認定研修施設であり、腹腔鏡下手術を多く経験してもらえます。将来腹腔鏡技術認定医取得を希望されるなら、ぜひ当院で研修を受けていただければと思います。手術執刀できる症例も多く、可能なら腹腔鏡下子宮全摘術TLHを習得するまで指導します。もちろん腹腔鏡下手術に関する発表や論文作成も支援いたします。(写真1:専攻医の腹腔鏡下手術執刀手術写真)
高齢化に伴い排尿障害など女性のQOLを低下させる骨盤臓器脱も増加しています。最近は腹腔鏡下手術(仙骨固定術など)が増加していますが、腟式の子宮全摘術と前後腟壁会陰形成術は患者負担の少ない手術です。一般には再発率が高いと言われていますが、当院では様々な工夫を加えた当院独自の手術を行っています。80歳以上の患者さんにも(最高は90歳)手術は行えており、患者さん達には非常に満足していただいています。産婦人科医にしかできない腟からの手術であり、産婦人科医が手放してはいけない手術でもあるため今後も継続していく予定です。